4つめの視点は、心に引っかかることに着目するという視点である。たとえば少しでも部屋が散らかっていたらイライラする人は、イライラの中身から「パターン化や仕組化が得意」という資質を見つけることができるかもしれない。また、怒られたりしたことで、心に引っかかることがあれば、そこにも資質が隠されている。例えば、落ち着きがないと怒られたら行動力があるといった具合だ。

 こうした4つの視点を使って本来の資質を洗い出していこう。

◆「最短で成果につながる仕事」にこだわろう
◇30代では「向いていて成果も出ること」だけをやる

 緊急度と重要度で仕事を整理して、優先順位を決めて仕事を進めていこうとよく言われる。しかし、これを実践しても上手くいかないことが多い。なぜなら、仕事を断る権限などない30代では、相手の緊急度によって仕事の優先順位が決まってしまうからである。

 では、30代では何を軸に仕事の優先順位を決めていけばよいのだろうか。それは「向いている」ことと「成果につながる」ことである。この2つが高い仕事を優先的に行うとよい。

 新規開拓が得意で、会社も新規開拓を求めているならば、それを最優先すべきである。仕事とは一番速く成果を出せる人に集まってくるものだ。自分に向いていて成果の出せる仕事を最優先にすることで、評価も評判も上がる好循環が生まれる。

◇得意な仕事こそ「みんなのため」に手放そう

 30代になったら、仕事を1人で抱えこまずに、誰かに任せることが大事である。得意な人が得意な仕事をできるように、チーム全体で仕事を再配分するのである。つまり、チーム全体のために仕事を振るのだ。

 その際、どのようにメンバーに仕事を振っていけばいいのか。ポイントは自分に向いていて得意なことの中でも「質が上がった」「停滞から抜け出せた」など、今までにない価値を生み出せることだけを手元に残すことだ。これらに当てはまらない得意な仕事はどんどん他の人に振っていくのである。

◇仕事を「なくす」ゲームと割り切る

 得意で成果を出せる仕事は自分の自信に直結する。そのため、他人に渡したくないという思いが芽生えてしまう。この思いを断ち切るには、自分の担当している仕事を「ステージをクリアしていくゲーム」だと考えることである。ある仕事をクリアしたら、今度は次のステージに進むという意識で仕事を進めていこう。一度クリアしたステージにはノウハウやコツが蓄積している。それを他人でも使える資料、フォーマット、ツールに落とし込んで、別の担当者に引き継ぐのである。