守れなければ上場廃止に追い込まれる改善計画書に、営業利益が4年で10倍になると書いてしまった企業がある。特集『東証再編が誘発! 上場廃止ラッシュ』(全15回)の#7では、高過ぎる営業利益目標を描いた企業をランキングで独自査定する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
上場猶予企業を困惑させた東証ガイドライン
高過ぎる上場基準「営業利益目標」の真贋を見極める
「改善計画書を書く際に東京証券取引所が示したガイドラインは、本当にいい加減。企業を困惑させた」。大手証券幹部は、そう指摘する。どういうことか。
プライム、スタンダード、グロースの3市場で、上場基準に抵触した企業は、基準到達に向けた計画書(改善計画書)を東証に出さねばならない。
届いていない上場基準がもしあれば、期限内に到達しなければならず、それができなければ上場廃止が待ち受けている。猶予を与えられた企業にとって、改善計画書はこのように重要なものである。
だが、東証が作成した肝心の改善計画書マニュアルが「いい加減」だと指摘する声は少なくない。一体どういうことか。