東証再編が誘発!上場廃止ラッシュ#6Photo:PIXTA

守れなければ上場廃止に追い込まれる改善計画書に、高過ぎる純利益目標を書き込んだ企業が複数存在する。連続赤字に陥っているにもかかわらず、イオン系の企業などが楽観的なV字回復シナリオを描いている。特集『東証再編が誘発! 上場廃止ラッシュ』(全15回)の#6では、過去の実績も検証しながら、その実現可能性を問う。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

楽観的なV字回復想定の企業続出
純利益目標が高過ぎる企業を探る

 プライム、スタンダード、グロースの3市場で、上場維持基準に引っ掛かった企業は東京証券取引所に、基準到達に向けた計画書(改善計画書)を出さねばならない。

 届いていない上場基準がもしあれば、期限内に到達しなければならず、それができなければ上場廃止が待ち受けている。

 帳尻合わせで、この文書に高過ぎる純利益目標を設定した企業が複数あった。なお、上場基準の最難関、「流通株式時価総額」は純利益×PER(株価収益率)×流通株式比率で計算される。純利益を大幅に上げるシナリオで、このハードルをクリアする絵を描いたのだ。

 上場基準に未達で、改善計画書を提出した企業は約560社。このうち、純利益目標を示した企業は133社あった。その数値の実現可能性について、ランキングで検証してみたい。

 今回の上場基準「純利益目標高すぎ」企業ランキングでは、計画の実現性を評価する上で、各企業の過去の行動、実績を重視した。

 具体的には、各社が設定した「純利益目標」の到達に必要な今期予想純利益からの改善額と、前期の純利益の実額を、一目で見比べられるようにしている。

 それでは早速、ランキング上位について見ていこう。