パフォーマンスをダウンさせる
「概日性リズム障害」への対処法

 確かにサーカディアン・リズムが乱れると、心身にはさまざまな不調が現れる。「概日性リズム障害」という言葉を聞いたことがある人は多いだろう。

 人間の体内時計は25時間であるため、地球の24時間周期とは1時間のずれがある。このずれを修正できずに、睡眠と覚醒のリズムに乱れが生じた状態を「概日性リズム障害」と呼ぶ。日中の眠気、集中力低下、だるさ、頭痛や吐き気、イライラなど心身の不調が主な症状。

 概日性リズム障害は、海外旅行や海外出張のための時差ぼけ、シフト制の交代勤務のような昼夜逆転生活を原因として発生することが多い。概日性リズム障害によって眠気や頭痛などの症状が現れていると、ベッドで横になりたくなったり、家で安静にしたくなったりするのも無理はない。

 しかし症状改善のためには、朝のうちからカーテンを開けて日光を浴びたり、太陽の下で散歩やウォーキング、軽めのジョギングをしたりするのが効果的だ。なぜならば、サーカディアン・リズムの乱れは日光を浴びるとリセットできることが、研究で解明されているからだ。

「自分は夜型だ」という人でも、サーカディアン・リズムが乱れていれば、夜でも生産性がダウンするものだ。夜型だからと日光を避けた生活を続けていては、サーカディアン・リズムは乱れるばかり。ついには心身の不調を招きかねないだろう。日中の活動に苦手意識がある場合でも、日光浴が健康維持につながることを覚えていてほしい。

 リモートワークが浸透し、働き方がますます多様化する中、時間の使い方への意識も高まっている。効率性や生産性を上げるためには、時間帯を見直してみるのもひとつの方法だ。活動の時間帯を変えるだけで、パフォーマンスがアップする可能性がある。ただし哺乳類として生まれたからには、日光を浴びてサーカディアン・リズムの乱れをリセットすることも忘れずに。

【参考書籍】

『シリコンバレー式超ライフハック』(デイヴ・アスプリー著、ダイヤモンド社)