筋力が容赦なく低下?「座りっぱなし」「マスク生活」に潜む無意識のリスク「座りっぱなし」「マスク生活」に潜む、気づかないリスクとは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

実業家の前澤友作氏が、民間人で初の宇宙旅行を成功させた。念願の夢だったという宇宙旅行達成のために、前澤氏はハードなトレーニングを積んだという。宇宙飛行士は宇宙滞在中に重要なミッションを遂行するが、1日2~3時間程度を筋力トレーニングに費やす。貴重な宇宙滞在時間のうち少なくない時間を筋トレに費やすのは、それだけ人間の筋力低下のペースが速いからだ。書籍『やせる!楽しい!若返る!やきとりじいさん体操』(岡田麻紀著、ダイヤモンド社)を参考に、日常的に筋肉を鍛えることの重要性を考える。(文/鈴木 舞)

座りっぱなし生活では
筋トレをしても筋肉量が減る?

 宇宙空間を例に出すと、地球にいるときのような重力がかからないため、筋肉への負荷が小さくなり、筋力低下を引き起こすという。宇宙空間にいる状態を地球で暮らす人の身体活動レベルに当てはめると、寝たきりなどの「不活動」に相当するとも言われている。

 地球上では宇宙空間ほど速いペースで筋肉量が低下するわけではないが、運動量の低下は身近な問題だ。一見すると健康的なビジネスパーソンでも、深刻な運動不足に陥っていることは少なくない。特に新型コロナウイルス感染症が拡大し、在宅ワークや外出自粛が要請されるようになってからは、なおさらだ。

 中高年が1ヵ月の筋トレを行った場合、脚筋力が 20%ほど高まる一方で、そのおよそ7%が1ヵ月の座位生活によって失われる。さらに俊敏性や筋パワーも低下するという。(参考/「テレワーク・自宅待機による運動不足による運動不足からくる生活習慣病リスクとその解消法」

 筋トレで筋力アップはできるものの、座りっぱなしの生活を送っていては容赦なく筋力が低下していくのである。

 新型コロナウイルス感染症に対する感染予防と外出自粛によって、1日の歩数が減少した人は多いはず。それに伴い、疲れやすくなったと感じる人もいるだろう。通勤や買い物で歩いたり階段を上ったりする機会は、貴重な運動のチャンスでもあったのだ。