旦那さんの不貞調査
3度目の現場へ

 とある奥さんからの依頼で、男性対象者の不貞調査をしたときのことでした。最近、旦那さんが週末にゴルフや釣りで泊まりに出かけることが多くなったそうです。釣りざおは明らかに100円ショップで購入したと思われる程度のクオリティーで、ゴルフクラブもちょっとさびたパターとアイアンの2本しかありません。

 奥さんは、この程度でだませると思っている旦那さんの稚拙な思考に愛想が尽きたとのことで、不貞の証拠を押さえて離婚を有利に進めたいという依頼内容でした。

 基本的に不貞調査においては、3回証拠を撮ることをお勧めしています。ホテル等に1~2回入った証拠を突きつけても、「打ち合わせだった」や「同僚が体調を崩して介抱していた」などと逃げられる可能性があるからです。3回とも同一人物とホテルなどに入れば、さすがに不貞と認められるというわけです。

 3回目の調査となったある金曜日の夜、対象者は仕事が終わるやいなや、すぐに会社を出てきました。とても急いでいるようで小走りで最寄りの駅に向かい、「電車よ早くこい」とばかりにソワソワしながら待っていました。数分後に来た電車に乗り込み、スマホをせわしなく操作していました。

 これから女性と会うことが楽しみでしょうがないというオーラがあふれ出ていました。私の経験上、これから不貞を働くべく電車の席に座っている男性はニヤニヤしてスマホの操作に没頭しており、老人や妊婦さんやけがをされている方などがいても、全く席を譲らないという“あるある”があります。彼もまさにその状態でした。

 電車を十数分乗って降りた駅の改札で、これまで行った2回の調査と同じ女性と会いました。その後、駅前のレストランで食事し、ビジネスホテルに入りました。出入り口が一つの小さな造りのホテルだったので、ホテルに入る状況証拠を問題なく撮影することができました。