株式投資で資産を築き、入社4年目の26歳でFIREを果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、最速で「お金と時間の自由」を得るための秘策を教える。これは一般的なFIREとは、まったく別の概念だ。FIRE達成者の多くは、ひと通り自由を味わうと暇を持て余して、結局は仕事をするようになりがち。そこで時間と場所に縛られない極めて自由度の高い仕事をしつつ、経済的自由を謳歌するたった1つの方法(投資×小さな起業)を伝授!
STEP 7 「本当の自由」を手に入れる
【前回】からの続き。
たとえ扱うテーマが変わって、「経営者コミュニティ」や「ワインコミュニティ」になったとしても、コミュニティ構築の基本的なノウハウは大きく変わりません。
一度自分で体験していることであれば、多少の違いがあっても最適解に効率よくたどり着くことができます。
このようにして、「コンサルティングしてほしい」という数多くのオファーをもらうようになりました。
もっとも、私自身がコンサルティングするとなると、どうしても自分の時間と労力を費やすことになります。
自分の貴重な時間を使って、もしお客さんに「期待したより価値がなかった」なんて思われてしまうと、お互いの時間が無駄になってしまいます。
せっかく自分の時間(=命)を使って仕事をするのであれば、世の中に対して高い付加価値を提供しないと意味がありません。
そのため、私の経験が相手にとって大きな付加価値になると判断した場合のみ依頼を請け負っています。そうでないと判断した場合、すべて断るというルールを自分に課しているのです。
そうすることで、相手との信頼関係を築くこともできますし、お互いの時間を無駄にせずウィンウィンの関係を継続することにもつながります。
いまでは、「一緒にビジネスをしよう」というオファーが増え、個人的に出資して新会社を設立して事業を立ち上げるケースも増えました。
こうした新会社や新規事業へ出資してビジネスオーナーになることは、将来的にお金を運んできてくれる「資産」を増やすことにつながります。
もちろんビジネスを立ち上げる段階では、出資するお金だけでなく、自分の時間も費やすことになります。それでも1人でやるのとは比べものにならないほどのスピードで、ビジネスを拡大させていくことができます。
そしてビジネスが軌道に乗ってしっかりと成長していけば、最初に費やしたお金や時間を大きく上まわるリターンを得ることができるのです。
自分が使える時間は1日24時間と有限ですが、第三者が運営するビジネスへ出資することで、他人の時間を使って複数のビジネスを同時に所有することが可能になります。これが「複数のビジネスオーナーになる」という発想です。
複数のビジネスを同時に拡大していくためのポイントは、「目先の利益ではなく、将来のトータルの利益を優先する」ことです。
ここでいう利益とは、自分の利益ではなく、「ビジネスの総利益」です。
ビジネスの総利益を最大化するというのは、世の中に提供する付加価値を最大化することと同じです。
経営やビジネスに関してだけでなく、人としての生き方にも、この考え方は大きく影響すると思います。
私のまわりの成功している投資家や経営者を見ていても、自分の利益ばかりに気をとられている人で、大成している人はいません。
いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちは、例外なく「目先の自分の利益を捨ててでも全体の利益」を優先して行動しています。目先の利益を拾いにいくようなスタンスは、一見得をするように思えるかもしれませんが、中長期的には事業は伸びていきません。
最初に自分のお金と時間を費やすのも、この考え方がベースになっています。
目先の利益を犠牲にしてでも、将来的な総利益のために行動することこそが、複数のビジネスオーナーになる近道だと思います。
複数のビジネスオーナーになることで、たった1つのビジネスや投資に依存しているときと比べて、より変化に強い盤石な経済基盤を築くことが可能になります。
投資をしながらビジネスオーナーとして自分が事業に直接携わらなくても収入を得られる仕組みを築き、20代で「お金と時間の自由」を得たあと、しばらく世界中を旅しました。
ヨーロッパや南米、カリブ海の島々など、まとまった時間がないと旅行できないようなところを中心に、長期間の旅をしたのです。1ヵ月以上、日本に帰ってこないなんてこともザラにありました。
ピーク時には1年間で、海外20ヵ国(33都市)、国内20都市を旅したこともあります。
そのときは、さすがに東京に借りているマンションの家賃がもったいないと感じました。
ノートパソコンやスマホとネット接続の環境さえあれば、世界中のどこにいても投資や仕事をすることができる時代です。ビジネスオーナーとして所有しているビジネスは、自分が直接携わらなくても、問題なく世の中に価値を生み出し続けています。
新型コロナウイルスの蔓延によって、しばらく海外への渡航が制限されましたが、時間と場所を選ばず、「本当の自由」を謳歌できる状況に変わりはありません。
私の場合、「気ままに旅すること」が人生で大切にしているテーマの1つですが、「本当の自由」を得たあと、何をするのかは人それぞれです。
朝起きたとき、「その日、自分がやりたいと思ったこと」ができるようになってはじめて、人生の本当のスタートラインに立つのです。
「本当の自由」を手にしたあとは、ぜひあなたにとっての理想の人生を実現してください。