「購入の際には、3大疾病の保険付きの35年ローンを選びました。年を重ねるに連れて上がる健康リスクを考えると、健康なうちに購入したい気持ちは大きかったですね。また、36歳で奨学金の返済を終了したので、そこからマイホーム購入についてはぼんやり考えるようになりました」

 その後、38歳の頃に自宅のポストに新築マンションのチラシが入っていたのを機に、本格的に購入に向けて行動を始めたという。

「それまでの家賃と奨学金の返済を合わせた月々の出費の最高額は約9万円。ローンは月々の返済額と管理費、修繕積立費を足してもその額を超えないように計算し、西日本の都市圏に3600万円の物件を購入しました。事前に複数のローンのシミュレーションサイトをやりこんで価格を設定しました」

 pippiさんは「念願のマイホームだから」といって背伸びはせず、自分が払える限度額を冷静に見極めて物件を検討したという。

「物件の条件としては、通勤ルートや間取りといった自分の理想がかなえられるか、いつか家を手放す必要が生じても賃貸に出せるかを意識しました。また、将来結婚して子どもができても住めて、かつ1人でも持て余さないようにと2LDKを選択。老後1人で暮らす可能性も考え、徒歩5分以内にドラッグストアや病院があるか、といった周辺環境や、バリアフリーが充実しているかも必ずチェックしましたね」

 pippiさんは、独身のままのマイホーム購入した経験について「後悔はほとんどない」と断言する。

「購入前は体験談が書かれたブログをたくさん読み込み、自分がこだわりたい条件を書き出すことで、営業の言葉に流されずに判断できたと思います。実際に購入してからの生活もガラリと変わり、賃貸時代は家を寝に帰る場所くらいに思っていたのが、今では仕事が終わったら直帰することがほとんど。勉強や料理などを楽しめる物件を選べたので、家を “生活する空間”と認識できるようになりました」