M&A仲介会社には、他業界から転職し、年収1億円を稼ぐ社員も少なくない。特に、M&A仲介業務と親和性の高い金融機関出身者にはチャンスだ。だが、実はM&A仲介会社への転職のハードルは驚くほど高い。特集『沸騰!M&A仲介 カネと罠』(全15回)の#7では、M&A仲介会社の採用条件や「デキる人」を見極める意外な着眼点、また、M&A仲介業界で実際に活躍できる人材のタイプを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)
高給取りの銀行員の3倍は年収が高いが
M&A仲介業界への転職は狭き門
「やっぱり、すっごい稼げるっていわれているからかな。銀行からもM&A仲介会社に転職する人は多い。でも、みんながみんな高い年収をもらえているわけじゃないんでしょ?」(大手地方銀行幹部)
売り手と買い手の間に入り、中小企業のM&A(企業の合併・買収)の成約支援を生業とするM&A仲介会社。その平均年収は、確かに高い。
M&A仲介業界には、30歳前後で年収3000万~4000万円を稼ぐ社員がザラにいるのだ。それどころか、大型のM&Aを成約させることができれば、年収1億円を手にすることだって夢ではない(本特集#3『「“月収”2000万円」も夢じゃない!?年収ランキング上位の常連、M&A仲介業界の給料事情』を参照)。
ちなみに、高給取りで有名なメガバンクでさえ、30歳ではまだ「ようやく年収1000万円が見えてくる頃」(メガバンク関係者)である。
そんな魅力的な年収がチラつくM&A仲介業界だが、実はM&A仲介会社への転職条件は甘くない。しかも狭き門をくぐり抜けたところで、結果を残せなければ最悪の場合、年収は500万円前後にとどまる。
いったい、どのような人なら難関を突破してM&A会社に転職し、年収1億円への道をひた走ることができるのか。次ページでは、“営業の最高峰”に位置する人材を求めるM&A仲介会社の採用条件や、「デキる人」を見極める意外な着眼点を明らかにしていく。