「時間はないがお金はある」
ゲームコーチング受講は中年にこそ有用か?

 筆者は現在、国内累計販売本数が400万本を超す人気ソフト『スプラトゥーン2』のガチ勢であり、世界の上位ランキング500名に冠せられる“王冠勢”の1人である(実際は、王冠勢は毎月500名選出し直され、筆者は月によって入ったり入らなかったりなので、王冠常連勢には劣る)。
 
 だから、こと『スプラトゥーン2』においてはだいぶうまい方だと思うのだが、まったく満足がいかない。最上位勢のうまさに比べると雲泥の差があると痛感しているからである。「もっとスプラトゥーンがうまくできるように生まれたかった…」と何度思ったかしれないし、シャワーを浴びている最中「悪魔に魂を売ってゲームがうまくなるなら自分はどうする…?」と本気で自問自答した夜も数えきれない。ゲーマーにとって上達する意欲とは、それくらい切羽詰まったものである。
 
 しかし、コーチングなら悪魔に魂を売る必要などない。いくばくかのお金を払えば上達のヒントを得ることができるのである。
 
 中年ゲーマーならば「時間はなくてもお金はちょっとある」という場合がほとんどであろう。若者は反対に「時間はあるがお金はない」である。中年ゲーマーは(まさしく筆者がそうだが)、「若いやつはゲームに使える時間がたっぷりあっていいよな」と嘆きがちであるが、ならば財力に物を言わせて特急券を買い、若者に対抗するのがよいのではあるまいか。
 
 筆者は残念ながらお金のない中年なのでコーチング受講は保留してあるが、結論から言って中年ゲーマーにコーチングは有効であると考えている。
 
 これはゲームに限った話ではないが、柔軟性をすっかり失ってしまったかに思える中年でも、研さんを積めば必ず上達はする。遊びがてら知人の中年ゲーマーを指導してグンと上達させたことが筆者ですら何度かあるので、日頃教えることをなりわいとしているコーチから授けられる指導はさぞ有効であろうと考えられる。受講する側も、金銭を支払えばより緊張感が増し、吸収する姿勢も強まるはずだからなおのこと、さらなる効果が期待できる。
 
 以降は「コーチング受講は是」として話を進めるが、コーチングを受けるにあたってぜひ注意してほしい点がある。ゲームコーチング界わいは危うさをはらんでいるのである。