リモートワークの普及で一般化したパソコンの「画面共有」。ベストセラー『脱マウス最速仕事術』の著者、森新氏は「これまでブラックボックス化されていた一人ひとりのPCスキルが”画面共有”によって他人にもわかるようになってしまった」と指摘する。実際に、コロナ禍で「社員のPCスキルの低さが浮き彫りになった」と口にする企業の人事の声も多くあるそうだ。そこで今回は、森氏に画面共有時に発覚してしまう「仕事が遅い人のPC操作ワースト5」を教えていただいた。
「脱マウス」してPC作業の時間を削減しよう!
皆さんもZOOMなどで他人と画面を共有する機会が増えたと思います。他の人のPC操作が異様に速くて「どうやっているのだろう?」と思った人もいるのではないでしょうか?
一見、超絶技法のように思える作業も一つひとつの時短ワザの積み重ねで出来ています。つまり、誰でもマスター可能ということです。
とはいえ、一気にそのレベルに到達するのは難しいので、今回は「仕事を遅くするPC作業」を5つに絞ってご紹介したいと思います。まずは、画面共有時に「この人は仕事が遅い人かな?」と疑われないレベルへの到達を目指しましょう。
1 サブウィンドウの[×]ボタンをマウスで押している
キーボードの左上にある[Esc]キーには、アプリによる設定画面やメッセージ画面などを閉じる機能があります。
[Esc]キーを使えば一瞬で画面(サブウィンドウ)を閉じられます。一方で、わざわざマウスのポインターを[×]ボタンまで移動させて画面を閉じるのは時間のロスです。“塵(ちり)も積もれば山となる”でこの作業を毎日繰り返していれば、トータルで大きな時間を失うことになります。
では、実際に[Esc]キーを押してみましょう。
エクセルを開いて、[Ctrl]+[H]キーを押してください。「検索と置換」の「置換」タブの画面が表示されるはずです。
この画面を閉じたいときに、キーボードからマウスに右手を移動させて右上の[×]をクリックする人が少なくありませんが、[Esc]キーを押せば一瞬です。
[Esc]キーで閉じる操作は、さまざまなアプリ、そしてウィンドウズで使えます。たとえば、ウィンドウズのロゴが描かれた[Windows]キーを押すと、スタートメニューが表示されます。これを閉じるのにも[Esc]キーが使えます。
一方で、アプリ本体は[Esc]キーを押しても閉じません。ポップアップした画面だけを閉じる設計になっているので、間違って[Esc]キーを押してもアプリが終了する心配はありません。
また、入力中の文字、変換中の文字を取り消したいときも[Esc]キーが役に立ちます。
2 エクセルのフィルターをマウスで展開している
エクセルでオートフィルターを設定すると、表の見出しに「▼」が表示されます。これをクリックしてデータを絞り込む条件を選ぶのですが、この操作では[Alt]キーと下矢印キーを使います。
見出しのセルを選択して[Alt]+下矢印キーを押すとリストを展開できます。
なぜ、この操作に下矢印キーが使われるかというと、「▼」と下矢印キーの形が似ているからです。このように[Alt]キーには、「ボタンと似た形のキー」と組み合わせて押す使い方が多いことを知っておくと他のショートカットキーを覚える際にも役立ちます。
3 「名前を付けて保存」をマウスでやっている
[F12]キーは、エクセルやワード、パワーポイントなどのオフィスアプリで、「名前を付けて保存」画面を表示するキーです。
「名前を付けて保存」の操作はアプリのバージョンによって異なっていたり、アップデートによって変わったりしますが、[F12]キーを使えば、バージョンに関係なく「名前を付けて保存」画面で保存ができます。
マウス派の人も「名前を付けて保存」の作業はちょっと面倒だと感じているのではないでしょうか?
操作が単純になるという意味でも、[F12]キーは使いやすいキーなのでぜひ覚えてみてください。