ビジネス用語には野球が多い?

 また、「#おっさんビジネス用語」まとめで指摘されていたのが、野球に関する用語が多いことだ。これは日本の「おじさんたち」が野球好きであることが、火の玉ストレートに表れている。

●ボールを持つ
用例)「今、誰がボール持ってるの?」「新人にいつまでもボール持たせたままじゃダメだよ」
意味)チームワークにおいて、ある人にやらなくてはならない作業や、任せられた責任がある状態。他の人がその人の作業が終わるのを待っている状態であることもある。主導権・実権を持つ、の意味で使われることもある。
●全員野球で
用例)「今日のプロジェクト発足を皮切りに全員野球でやっていきましょう」「今の若いヤツは妙にクールで、全員野球ってものを知らねえな」
意味)一致団結して。全員が実力を出し切ってチームワークで課題や仕事に挑むこと。
●三遊間
用例)「あの案件は完全にB社に三遊間を抜かれました」
意味)三遊間とは、三塁手(サード)と遊撃手(ショート)の守備範囲の中間。ここに飛んだ打球をどうさばくかが、守っている野手の腕の見せどころである。ただ、サード、ショートのどちらが捕るとは決まっていないところでもあり、ビジネス用語で使われる場合には「担当が曖昧な仕事」を意味することがある。また、「三遊間を抜かれた」で失敗した、うまくやられた、といった意味で使われる。

 令和の若者は知らないであろうが、一昔前は社会人になる際に野球のルールやプロ野球チームの名称・選手名を覚えた方がよいといわれていた。雑談に便利だし、こうしてビジネス用語にも野球にちなんだ表現が転がっているからである。