はっきり言って、子どもの調査は大変です。以前『探偵が恐れる調査対象者とは?3位は女性、1位は意外すぎる人物』でも、「子どもが対象の依頼は即座には受けないというのは探偵あるある」と書きました。なぜならば、子どもは読みづらく思いも寄らない行動をとるのです。さらに、子どものことを注意して見ている大人が結構いるので、小学生・中学生・高校生を尾行している私たちは違和感があり注目されてしまいます。

 大人というのは保護者・学校の先生・警察で、それらの方々から声をかけられることはよくあります。説明すれば納得はしてくれるのですが、その状況を対象の子どもに感づかれるわけにはいきません。依頼者の存在も口外できないので、その時は対象の子どもを見失わないように穏便に逃げるしかないのです。

 保護者・学校の先生からは大体逃げることができるのですが、警察は簡単には逃がしてくれません。そんな時は、対象の子どもからは見えない場所に移動して状況を説明します。探偵は基本的に2名1組で調査するので、どちらかが説明役になり、もう1人は調査を続行するのです。子どもの行動調査は、多くの探偵にとっては鬼門というのが探偵あるあるです。

人捜しの相談も多い
消息不明の愛人の息子の捜索依頼

 子どもの行動調査の次に多いのが人捜しのご相談です。家出人捜しや離婚した相手が慰謝料を払わず消息がつかめなくなったので捜してほしい、などの相談が大半を占めます。

 人捜し調査のあるあるですが、見つけるための材料がとても乏しいことが多く、なおかつ調査対象者も見つかりたくはないので相応の対策を練っており、結果、見つけられないことも珍しくはありません。

 数年前に私が受けた相談で、遺産相続に関連する人捜しの依頼がありました。相談者は男性で、父が亡くなったのを期に遺産問題が持ち上がったそうです。相談者以外に3人の相続人がおり、そのうち2人は相談者の兄と弟でした。もう1人が捜したい対象者ですが、父と愛人との間にできた婚外子の男性で、遺産問題が発生してからその存在を知ることになったそうです。