私も調査を受けた直後は「すぐに見つかるだろう」と思っていましたが、リモコンキーではない鍵にはレンタカー店の名前などもなく、遠隔でのドアロック解除もできず、手がかりは車種・色・神戸ナンバー・車内に置いてある服や物だけで、探し出すのにとても苦労しました。

 結果としては4時間後に見つけることができましたが、休む間もなくバイクで走りまわり、非常に難易度の高い調査でした。

ニュースや新聞で話題の
調査に関わることも

 調査の対象者が会う人を調べてほしいという、接触者調査の相談を受けることもあります。

 現状のコロナ禍では、オンラインでの打ち合わせが急増したため激減していますが、それ以前は年に数回は依頼がありました。調査期間も半年から数年間にわたり、毎日調査することも多く、複数の探偵社でチームを編成して曜日ごとにシフト制にて調査を行うこともあります。こういった案件は、数百メートル離れた場所から玄関のドアを数日間見続けるという、精神力をすり減らす張り込みが多いというのは探偵あるあるです。

 全体的にとてもナイーブで秘匿性が高い案件が多く、紹介できる内容は相当限られてしまいますが、この調査結果によって会社や組織の状況が激変したり、数億円以上の大金が動いたりすることもあります。調査が終了して数カ月後に、対象者がニュースや新聞で大々的に取り上げられているのを知ることも珍しくありません。

 同様の頻度で、対象の場所に出入りする人物を調べてほしいという相談もあります。

 これは対象者がいる場所や関係しているであろう場所に、どんな人物が訪れるのかを調べてほしいという依頼です。対象者の企てた画策に誰が協力しているのかを知り、対策を講じるのが目的です。