コロナ禍にあって
非接触型で仮想交流を実現

地元住民の肉声でレアな旅情報を提供 スマホを使った位置連動型音声ガイド「おともたび」のトップ画面(左)。音声スポットに来ると、地元のガイド役がアイコンで登場(右)

 特徴は大きく二つある。一つ目が位置情報と音声が連動し、自動で情報が入手できること。QRコードからサービスサイトにアクセスすると、マップ上に地元のガイド役がアイコンで登場。「アイコンに到着すると自動で音声ガイドがスタートし、スポットを逃すことなく地域を散策しながら楽しめます」(青木氏)。

 二つ目が地元住民の“声”を採用していること。コロナ禍にあって、旅の醍醐味である地元の人々とのリアルな交流が難しい中、非接触型で仮想交流が楽しめるのは今までにない新たな旅行体験といえよう。また、素人ガイドといっても、同社が連携するプロによるインタビューや編集を経て、個々人のキャラを生かしつつ質の高いコンテンツを実現している。

地元住民の肉声でレアな旅情報を提供 スマホを使った位置連動型音声ガイド「おともたび」の日本平編では、人気スポットの日本平動物園と連携
●株式会社Оtоnо 事業内容/音声制作、小売り、その他観光サービス業、従業員数/7人、所在地/静岡県静岡市清水区三保1303-3、電話/050-8880-3132、URL/otono.site

 現在、サービス提供エリアは市内の二大観光スポットの「三保松原」と「日本平」で、音声スポットは約50カ所に及ぶ。今後は「全国展開や海外からの観光客復活も見据え、他の自治体や、民間の観光施設、神社、商店街などにもビジネスモデルを展開し、まちづくりに広く貢献していきたいですね」と青木氏は意気込む。

 観光とはまちの「光を観る」と書くように、全国津々浦々のまちの“光=魅力”を発掘していく媒介的存在でありたいという同社。音声をフックとした新しいチャレンジに期待したい。

(「しんきん経営情報」2022年2月号掲載)