宣言して失敗しても、リターンは大きい
人間は社会的な動物なので、自分のために頑張るのは限界があります。
心理学者のマズローは「欲求五段階説」の最上位よりさらに上に「自己超越欲求」を加えていたと言われますが、私も賛同します。
人間は周りを巻き込んで成功することを望みますが、失敗したときの情けなさや辛さも引き受けなければなりません。
周りに高らかに宣言して失敗することもあります。
そのときは信用を失いますが、対応の仕方次第で回復できるはずです。
「ごめん、俺についてきてくれたのに失敗してしまった。でも、この失敗で学び、結果は出せなかったけれども得るものがあった。それは次の機会に生かそうと思う。みんなの頑張りには感謝しかない」
私は、行動しないから失敗しない人より、行動して失敗する人のほうが尊敬に値すると思っています。
行動して失敗した人は、成果としての金銭は手に入らないものの、経験が手に入っています。失敗は回り道ですが、必ずその経験は生きると信じています。
自分が成功できなくても、後から来た若い人がその失敗から影響を受け、育っていくこともあります。それに誇りを持つべきです。
宣言する恥ずかしさやリスクより、宣言することによるリターンのほうが大きい。
それには成功したときだけでなく、失敗した場合も含まれると考えています。
(本原稿は、平尾丈著『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』から一部抜粋・改変したものです)