視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。
軽井沢の「リゾート菜園」は実現するのか
私は長野県軽井沢町に住んでいるのだが、住み始めてしばらく経った頃、あるビジネスのアイデアがひらめいたことがある。軽井沢で「リゾート菜園」を開くというものだ。
今、農業従事者の高齢化と後継者不足による耕作放棄地の増加が、全国各地の自治体で悩みの種となっているようだ。軽井沢町も例外ではない。
だが、軽井沢には、他の市町村とは異なる点がある。首都圏から比較的近い観光地・リゾート地として栄えているのだ。週末に遊びに来る人や、別荘を所有する人、私のように移住する人など、人の行き来が多い、少し特殊な土地柄なのである。
そのような軽井沢が好きでひんぱんに訪れる人たちの中には、健康や食の安全、ロハスな生活への感度が高い人が、一定の割合でいる。
そういう人たちに向けて、耕作放棄地を整備して区分けし、小さな菜園を貸し出すビジネスが成立するのではないか、と思いついた。
毎日の菜園の管理は私が代行し、契約者には、軽井沢を訪れた際に、その時節に必要な農作業を一緒に体験してもらう。収穫の時期ならば、自分の畑で育った作物を収穫する喜びを味わっていただくこともできる。
このアイデアは、何人かの友人にはすでに打ち明けた。皆、口を揃えて「それ、いいね。楽しそう!」と言ってくれている。まだ事業化に向けては何もしていないのだが、成功の可能性はあるのではないかと思う。