セルフメディケーション税制が延長に 確定申告で気をつけるべきポイントとは?Photo:PIXTA

確定申告の季節である。中でも今年のトピックとして注目したいのが、2017年から21年度分まで5年間の期限で始まった「セルフメディケーション税制」が、昨年度の税制改正で延長が決まったことである。具体的にはどんな人にメリットがある制度なのか。連載『医療費の裏ワザと落とし穴』の第238回では、新型コロナウイルス関連の医療やワクチンはこの制度にどのように関係してくるのか。申告時の注意点も併せて見ていこう。(フリーライター 早川幸子)

セルフメディケーション税制の「一定の取組」に
コロナのワクチン接種は含まれるのか?

 セルフメディケーション税制とは何か。ざっくり言うと、ドラッグストアなどで購入した市販薬が1万2000円超えると、超えた部分が所得控除の対象になり、節税できるというもの。2017年分の確定申告から導入された医療費控除の特例である。当初、適用期間は2021年分までの5年間とされていたが、昨年度の法改正で、2026年分まで延長されることになった。

 通常の医療費控除は、原則的に医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)を超えた人が対象だが、セルフメディケーション税制は1万2000円を超えると利用できる。昨年1年間、大きな病気やケガはしなかったけれど、市販薬の購入が多かった、という人は、セルフメディケーション税制を利用して確定申告すると税金を取り戻せる可能性があるのだ。

 だが、セルフメディケーション税制は市販薬を購入すれば、誰でも利用できるわけではない。実は、申告には健康づくりや病気予防について「一定の取組」を行っている人という要件がある。

「一定の取組」とは何なのか。セルフメディケーション税制の概要を、改めて確認してみよう。

●購入した市販薬の種類、金額、健康作りのための取組の3つが要件に
●インフルワクチンは「一定の取組」の対象に、新型コロナワクチンは対象外
●医療費控除とセルフメディケーション税制どちらか一方しか選べないので注意