ベンチャーでのインターンシップで注意したいこと

とはいえ、数カ月のコミットが求められる。中途半端にしか時間を割けない状況では先方に迷惑をかけるだけでなく、きみが得られるものも少なくなってしまう。大学3年生で始めるなら、冬のインターンが盛り上がる前の11月頃までがよいだろう。成果と成長を手に入れるためには一定以上の時間がかかることも理解しておこう。

ベンチャーで長期インターンをするなら、「何を得るために挑戦するのか」を明確にしてから参加することだ。例えば、

・マーケティングを学びたいので、そのポジションに挑戦させてくれるところを選ぶ
・ネット広告のビジネスを学びたいので、その業界内で選ぶ
・メガベンチャーの社風と自分の相性を肌で感じたいので、気になる数社から選ぶ

などである。

「成長」という言葉を大切にするあまり、とりあえずベンチャーの長期インターンに参加すれば「成長」できると考えてしまう学生がいる。その熱量はとても素晴らしいし、個人的にはその勢いも好きなのだが、少し冷静になってほしい。

そういう学生に「成長の定義は?」と聞くと具体的に答えられないことも多い。

何を求めているのかが自分でもわかっていないということだ。

どんなことをしていても人は何かしら成長するもの。ここでも目的意識が大切だ。「どの部分の能力を鍛えるためにインターンに参加するのか」を明確にしてから参加しよう。

きみのその思いの強さと行動力を、なるべく効率的に将来につながる場所に投下してほしい。

(本稿は、『絶対内定2024-2026 インターンシップ』を抜粋、再構成したものです)

藤本健司(ふじもと・けんじ)
我究館館長
千葉大学教育学部卒業後、(株)毎日コムネット入社。営業に配属され、2年目に優秀社員賞、3年目に社長賞を受賞。2012年「世界の教育問題に対峙したい」との思いから、青年海外協力隊としてケニア共和国で活動。3年間、JICAや現地の省庁と連携し、児童福祉施設における情操教育やカウンセリングに携わり、「人は志や気づきによって大きな成長を遂げられる」ことを実感する。2016年より(株)ジャパンビジネスラボに参画。我究館学生校の主担当コーチとして大学生をサポート。2017年10月より副館長を務め、2021年5月より現職。外資系投資銀行、コンサルティングファーム、総合商社、広告代理店など、難関企業に多数の内定実績がある。著書に「絶対内定」シリーズがある。