現役時代にどれくらい財産作りができたかが、
定年後の生活水準を大きく左右する
定年を迎えたところで働くのをやめたとしたら、男性でも25年以上という長い期間、2ヵ月に一度の割合で振り込まれる年金と、現役時代に貯めてきた貯蓄を取り崩しながら生活していくことになります。
月々のキャッシュフローは公的年金でカバーできるという意見もありますが、すべての人が満足のいく年金額を受け取れるわけではありません。公務員などは一般的に年金が充実していると言われます。
しかし、自営業者のように国民年金にしか加入していない人の場合は、受け取れる年金の額もたかが知れています。今の国民年金基金に加入したとしても、受給できる年金額が大幅に増えるわけではありません。
もっと言えば、今はどうにか支給できている厚生年金も、高齢社会の進展で年金財政が厳しくなっていきますから、現在30代、40代の人は、手厚い年金を受給できる保証がどこにもないのです。
かといって、現役時代にどのくらい貯蓄できるでしょうか。公的年金に頼れないということになれば、そのまま働き続けるか、もしくは十分なキャッシュフローがある現役時代に、できるだけ多く貯蓄しておく必要があります。
ただ、それは誰にでも可能とは限りません。
定年後にも働くとはいっても現役時代に燃え尽きてしまい、もうこれ以上働きたくないという方もいらっしゃるでしょうし、働きたくてもなかなか再就職先が見つからないという方もいらっしゃると思います。
そうなると、やはり現役時代にどのくらい、将来に向けて財産作りができたのかということが、定年後の生活水準を大きく左右することになります。
セゾン投信代表取締役会長CEO
一般社団法人投資信託協会副会長、公益財団法人セゾン文化財団理事
1987年明治大学商学部卒業、クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立。2020年6月より現職。
つみたてで、コツコツと資産をふやす長期投資を提言、国際分散型投資信託2本を15年以上運用し、
個人の長期資産形成を支えている。客観的な定量評価を行う複数のファンドアワードで連続受賞。
口座開設数16万人、預かり資産4700 億円を突破。
主な著書に『最新版 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』他多数。