「4年前に購入された冷蔵庫の保証があと6年残っています。このまま解約してしまうと保証が消滅してしまいます」

 冷蔵庫やエアコンなどの大型家電は、メーカーサポートとは別に家電量販店独自の延長保証サービスが付いていることがある。それ自体はよく知っていたが、クレジットカードと一緒に消滅することがあるとは初耳だった。

「生計同一関係の、つまりは同居されているご遺族様がエディオンカード会員であれば、保証の承継が可能です。解約の前にご検討ください」

 電話口のスタッフは消滅を回避する方法まで教えてくれた。遺族が今からエディオンカードの会員になるのでも構わないという。ここまでの情報を得たら、あとは遺族に判断を委ねればいい。仕事はひと区切りついた。

 しかし、脳裏にはモヤモヤとした不安が残った。冷蔵庫やエアコン、テレビなどは家財として相続できる。しかし、それらに付与された延長保証などの特典はその限りではないのかもしれない。どこまでが相続対象で、どう切り分けていけばいいのか。解約手続きにおける未知のレイヤーを見つけてしまったようだと、加藤さんは振り返る。

 実際のところはどうなっているのだろうか。