エディオンの長期修理保証は登録住所で使用することが重要

 エディオンの前身企業のひとつであるデオデオが5年間長期修理保証を始めたのは1997年のこと。現在は「エディオンカード」とクレジット機能のない「IDカード」のサービスとして長期修理保証を提供している。両カードの会員数は2021年3月時点で480万人を超える。

 両カードともに原則として相続できない規約になっているが、会員規約第38条には「会員の死亡に起因する長期修理保証のエディオンカードまたはIDカードの会員である相続会員への承継に限り、当社所定の手続きを行うことにより長期修理保証の承継を認める場合があります」とある。つまり、特例として長期修理保証だけは引き継げる仕組みになっているのだ。

家電量販店で家族が買った冷蔵庫、持ち主の死後も長期保証は引き継げる?エディオンカードの会員規約。「第38条(権利譲渡の禁止)」に、ただし書きで長期修理保証の承継を認める文章がある Photo by Y.F.

 ただし、引き継ぎには条件がある。加藤さんが電話口で説明を受けた通り、相続する側は購入者と生計を同じくする「生計同一関係」であり、エディオンカード、もしくはIDカードの会員になっている必要がある。加えて、対象の家電を使う場所は、原則としてカードの登録住所が前提だ。後から登録住所を変更することはできるが相続時はあくまで亡くなった会員の住所でということになる。

 上記の遺族の場合、故人と同居していた家族が自分用のエディオンカードを持っていたり、新たに取得したりすれば、残り6年の延長修理保証が引き継げる。エディオンカードを持つ意思がなかったり、そもそも別世帯で暮らしていたりする場合は相続はできないというわけだ。

 同社広報は「承継の有無にかかわらず、長期修理保証はご登録住所で使い続けていただくことが条件となります」と強調する。やはり、冷蔵庫という家電の相続と、冷蔵庫に付与された保証の相続は分けて考える必要があるようだ。