西部劇の町の「なれの果て」の風景がある
ボディ

そのまま西部劇映画のセットになりそうなゴーストタウンそのまま西部劇映画のセットになりそうなゴーストタウン

 時間とともに没落していったり、朽ち果ててしまったりするものを「なれの果て」といいますが、世界中にあるゴーストタウンはまさに「時の果て」というべき存在。北米大陸で19世紀に起こったゴールドラッシュは、多くの場所にゴーストタウンを作りました。アメリカのカリフォルニア州にあるボディもそのひとつ。19世紀後半にこの場所の近くで金鉱床が発見されたため、大手の採掘会社が進出。大勢の鉱夫を必要としたために、ボディはあっという間に1万以上の人口を抱える町となり、周囲には2000以上の家や建物が建てられました。1876年のことです。ところがその5年後の1881年には金の産出量が減少に転じ、それに合わせるように町も寂れていきました。それでも鉱山は1942年まで続いていましたが、閉山後は完全にゴーストタウンとなってしまいました。

かつては大勢の人が通ったであろう教会かつては大勢の人が通ったであろう教会

 ゴーストタウンとなり完全に放棄された町ですが、幸い乾燥した気候の土地であったために建物の劣化はあまり進まず、多くの建物が残っています。現在このエリア一帯は州立公園となっており、今から150年近く前、1880年代の建物がそのままの状態で残されているのは学術的にも貴重なため、現存する建物は国が指定する歴史的建造物として管理されています。場所は西海岸の町サンフランシスコから車で6時間ほど。州立公園周辺は未舗装道路ですが、レンタカーでも訪れることができる「果て」スポットです。