iPhone SEは、カメラがシングルレンズで、ロック解除やApple Pay の認証は指紋を利用するTouch IDで行う。これは上位モデルで顔認証のFace IDに対応したiPhone 13シリーズとは異なる点だ。昨今はマスク姿でスマートフォンを利用することも多いので、Touch IDのほうが便利な面もある。iPhone 12/13シリーズであれば最新のiOS 15.4との組み合わせによって、単体でマスク姿でのFace ID認証が可能になった(これまでマスク姿での認証にはApple Watchを併用する必要があった)ため、Touch IDに以前ほどの優位性はなくなったものの、美容用のフェイスマスクを付けた状態や、画面と正対していなくても指先でロック解除できる点では有利だ。一方で、筆者にも経験があるが、指先が肌荒れするとTouch IDが機能しにくくなるので、この点は注意されたい。

 なお、iPhone 13 mini(スクリーンサイズ5.4インチ。縦×横×厚み:131.5mm×64.2mm×7.65mm)はシリーズ内では不人気のため、次期iPhoneでは同等モデルが割愛される可能性もある。iPhone SE(同4.7インチ。138.4mm ×67.3mm×7.3mm)は、それに代わる小さなiPhoneとしての役割を担うことも考えられそうだ。

M1の量産効果をさらに高めるiPad Airでの採用

 新型iPad Airは、iPad Proと同じM1チップを搭載することになり、併せて超広角(122度)のFaceTime HDカメラを搭載して、リモート会議などで常にユーザーを画面中央に表示するセンターステージ(日本ではセンターフレームと呼ばれる)機能を備えるに至った。

新型iPad AirエントリーMacやiPad Proと同じM1チップを搭載した新型iPad Air

 アップルが自社製品のためだけの高性能半導体の自主開発ができるのは(参考記事:M1搭載Macが続々!アップルが自社開発チップに注力する理由)、iPhoneという超量産機種によってAシリーズチップの企画を推進し、それをiPadラインにも搭載したり、Mシリーズチップのベースにすることで、製品ライン全体が開発費を負担できるようにしたりといった体制を敷いているからだ。

 その意味で、今回、iPad AirにもM1チップを採用したことは、M1の量産効果をさらに高めてコストダウンにつなげ、近い将来に他のiPadモデルにも波及させていく目論見があるものと考えられる。