パーソナルなデスクトップ機を再定義するMac Studio

 Mac Studioは、新たな製品ラインであることや、M1シリーズのアップルシリコンの最上位バージョンとなるM1 Ultra(および、これまで最上位だったM1 Max)が搭載されることで話題となった。

新製品のキューブ型デスクトップ、Mac Studio新ラインアップとして誕生した高性能デスクトップモデル、Mac Studio

 位置付け的にミドルクラス(過渡期的に性能はMac史上最高だが)でキューブデザインのコンパクトなMacといえば、かつて、故スティーブ・ジョブズの肝煎りで開発され、高めの価格設定や内部拡張性の欠如によって商業的には失敗したPower Mac G4 Cubeを思い出す。しかし、Mac Studioは、M1 Max/Ultraの圧倒的なパフォーマンスの高さを考えればリーズナブルな価格と、用途にもよるが高速な入出力ポート類である程度の拡張性を確保していることから、クリエーターを中心にかなりの需要が見込まれそうだ。

 また、アップルシリコン化されたMacでは初めてのケースだが、入力ポートのうち、2基のUSB-C(M1 Maxモデル)か2基のThunderbolt 4(M1 Ultraモデル)と、SDXCカードスロットは前面パネルに配されている。これは、「入出力ポートの少なさや手の届きにくさを理由に買わない」という言い訳を潜在的なユーザーにさせないための判断と考えられ、M1 Max/Ultraの高い性能を背景に、本格的にMacのシェアアップを図る戦略に出ているといえよう。