日本企業にも参考になりそうな、さりげないイベント演出

 これは製品そのものの紹介ではないが、途中で、M1 Ultraの高い性能への期待をソフトウェアデベロッパーたちに語らせるというコーナーがあった。ここで注目されたのが、登場したデベロッパーがすべて女性だったことだ。

女性デベロッパーM1 Ultraチップの性能を礼賛する映像に登場したのは、すべて女性デベロッパーだった

 これはもちろん、アメリカ時間のイベントの開催日である3月8日が国際女性デーに当たっていたことと無関係ではない。しかし、そのことには一言も触れず、単に「デベロッパーの声を聞いてみましょう」とさりげなく紹介して特別扱いしなかった点がスマートだった。

 実際の製品プレゼンテーションも、マネージャークラスの女性スタッフが行うことが多かったが、これはいつもの流れで、要は、アップル社内ではそういう環境がごく普通であるという事実を示しているに過ぎない。アップルは、製品作りのみならず、SDGsの様々な側面を当たり前のように実践しているのだ。

ティム・クックCEOウクライナ支援をさりげなく服装でも示したティム・クックCEO

 そして、これもことさら強調することはなかったが、当日のティム・クックCEOの服装は、ブルー系のプルオーバーにイエローのApple Watchバンドというウクライナカラーであった。

 アップルは3月1日にロシアにおける全商品の販売停止を決定するなど、早くからウクライナ支援の姿勢を打ち出していたが、「ピークパフォーマンス」イベントでは、こういうところにもメッセージを忍ばせていたのである。