おもな諸子百家一覧
このような大志を抱いたインテリたちの集団を、後世にまとめて諸子百家と呼びました。
諸子とは思想家や学派、あるいはその著書を意味し、百家はインドの六十二見(けん)同様に多数の意味です。
おもな諸子百家を挙げると、次のとおりです。
・儒家(じゅか):孔子を開祖とする学派
・墨家(ぼくか):墨子を開祖とする学派
・法家(ほうか):法を重んじて信賞必罰を定め、権力を君主に集中して民を治めることを説く学派。商鞅(しょうおう)が実践を始め、韓非(かんぴ)が大成
・名家(めいか):名(言葉)と実(実践)の関係を明らかにしようとする論理学派。実際は単なる詭弁術で、ギリシャのソフィストに近い
・道家(どうか):無為自然を説く。老子を祖とし荘子が大成。後に神仙思想や陰陽五行説と一体となり道教が生まれる
・兵家(へいか):春秋・戦国時代の兵法を論じた。兵法書『孫子』の著者は、春秋時代の孫武とその一族である戦国時代の孫臏(そんぴん)であるとの説が有力
・陰陽家(いんようか):本書で詳しく解説
上記の諸子以外に、縦横家(じゅうおうか)・雑家(ざっか)・農家(のうか)・小説家などが存在しました。
戦国七雄の有力な王侯たちは、自分の政策立案のブレーンとなってもらうために、諸子百家の学者たちを招きました。
なるべく多くの学者を、自分の食客(しょっかく)として集めようとしたのです。
財産を競い合うのと似て、優れた諸子のパトロンになっていることを自慢する気持ちもあったのでしょう。
俺のところには、あの有名な儒者がいるんだぞ、といった具合です。