社外取締役にはデメリットも。
副業とするのがベスト?

 最初の問いに戻ろう。人生100年時代、60歳から先のキャリアプランについて考えたとき、社外取締役は次のキャリアになりうるのだろうか。報酬だけを見るとセカンドキャリア、サードキャリアとして考えるのも悪くない。

 しかし土岐氏は、「本業を現役でこなしながら社外取締役をやる人が多い」と話す。「確かに社外取締役だけでも(収入だけで考えれば生活は)成り立つ。しかし、社外取締役の報酬に依存していたら、勇気がある発言ができない。本業があるからこそ、はっきりと意見が言えるという声もある。また、本業で得た情報や知識を社外取締役として還元したいという人もいる」(土岐氏)

 社外取締役だけを専業で行うのはあまり勧められないが、複数の仕事の一つとして行うのであれば、セカンドキャリアとしても魅力的といえそうだ。スキルを備えた人であれば、それぞれの専門知識を生かし、足りない知識は勉強して身に付けて、社外取締役という道を目指してみてはいかがだろう。

参考:経済産業省「社外取締役の現状について」(PDF)