地下鉄補助と
都市鉄道融資とは

 地下鉄補助とは、地下鉄の整備を促進するために建設費の一部を国と自治体が助成するもので、ちょうど60年前の1962年に創設されてから幾度の改定を経て1992年に概ね現在の形となった。この制度では建設費から経費や車両費、建設利子などを除いた額のうち70%を国と自治体が補助する(実質的な補助率は総事業費の4割強)。

 かつては開業後に営業外収入として10年に分割して交付されていたが、例えば総事業費2000億円の新線を建設する場合、事業者は建設にあたって全額を自前で調達する必要があった。そのため2000億円分の利子を負担しなければならず、開業後に交付される補助金の効果は限定的だった。

 現在は建設当年度に資本費として補助金が一括交付されるため、2000億円のうち800億円が事前に交付され、事業者は1200億円を調達するだけで済む。2000年代以降の超低金利時代において利子負担はかなり軽減されているが、それでも収支の改善には大きく寄与する。

 もう一つの都市鉄道融資は地域公共交通活性化・再生法の第29条に定められた制度で、鉄道・運輸機構(旧鉄道建設公団)が財政投融資や金融市場から建設資金を調達して出資し、事業者が分割で返済することで資金調達リスクを軽減する仕組みだ。