思い込みで事象を挙げてしまうと、「個人を攻撃する」ことに目が向いてしまいます。それは避けなければなりません。

「これは自分の思い込みではないか?」「自分の感情だけで判断していないか?」と自問しながら、客観的なものだけを慎重に挙げていくこと。そうすることで、根本的な課題解決への道が開けるのです。

ステップ3 事象を整理する

 事象を出しきったら、似ている事象をまとめて「グルーピング」をします。事象をすべて挙げて、それからグルーピングすることを、ロジカルシンキングでは「拡散と収束」といいます。

「拡散」と「収束」は、同時に行なってはいけません。「事象を挙げる」ことにブレーキがかかってしまうからです。まず、「拡散」で考えつく限りの事象を出しきってから、「収束」であるグルーピングを行ないましょう。この順番を守ることが大切です。

 たとえば、先ほどの、

・B君は、チーム内でコミュニケーションをうまく取れていない
・C君は、報告・連絡をマメにできていない

 というのは、「チーム内の意思疎通が円滑でない」という事象として、グルーピングすることができます。

 ここでも大事なのが、やはり、客観的にグルーピングを行なうことです。客観的にグルーピングを行なうためには、「思い込み」や単なる「希望」を捨て、そのうえでグルーピングを行なうことです。「思い込み」や単なる「希望」でグルーピングをすれば、「事実」に反することを行なうことになります。

 グルーピングをしたら、次に、「顧客との関係を強化し、その情報をチーム内で共有し、売上を倍増させる」ための課題解決を阻むであろう直接的な原因と考えられる事象にチェックを入れます。そして、一番チェックを入れた事象の数が多いグループを確認します。

(次回は、ステップ4~7を解説していきます)