ステルスリストラ#10Photo:123RF

米国でアマゾンにおける初の労働組合結成がこの4月に可決された。日本ではどう動くのか。特集『ステルスリストラ 気付けばあなたも』(全10回)の最終回では、アマゾンジャパン労組関係者が日本における闘いの鍵を明かした。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

米アマゾンで労組結成が可決
日米の労組「交流を密に」

――米ニューヨークのアマゾン物流拠点で4月1日、同社における米国初の労働組合結成が従業員投票による賛成多数で可決されました。(ダイヤモンド編集部注:アマゾンはその後、投票結果に異議を申し立てた)

アマゾンジャパン労働組合が加盟する東京管理職ユニオンの鈴木剛執行委員長 素晴らしい。米アラバマ州で敗北した後、関係者が相当立て直しを図ったと聞いている。背景には倉庫労働者の安全面や賃金条件の不満がある。そこで労働者が立ち上がった。(本編集部注:アラバマ州のアマゾン物流施設では2021年4月、反対多数で労組結成が否決された)

――今後、日米の労組の連携はあるのでしょうか。

鈴木執行委員長 すでにメールのやりとりなどはしており、もっと交流を密にしていきたい。日本のアマゾン(アマゾンジャパン)にも神奈川、千葉、埼玉などに大きな倉庫があるのでアタックをかけたいですね。

――日米で課題は共通しているのでしょうか?

鈴木執行委員長 共通の面もあるし、その国々特有のものもある。労組が訴える先はアマゾン、アマゾンジャパンと違えども、署名運動、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上のキャンペーンなどはできる。そのような動きをもっと強め、またこちらからも人を送り込んでいきたい。

――アマゾンジャパンについて聞きます。複数の現役社員や元社員を取材すると、会社はローパフォーマーと認定した社員本人に黙ってコーチングプラン(次ページの図参照、下はサンプル)に入れるケースがあるといいます。

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