企業で続く構造的な人材不足
「人材要件の変更」が顕著に

 一方、企業側の採用状況を見ると、構造的な人材不足感が続いています。企業へのアンケート調査では、「中途採用計画を満たせていない」と回答した企業が約7割に達しました。

 人材不足が深刻化する中、人材獲得に向けての新たな動きとして顕著なのが「人材要件の変更」です。「3年前と比較して、正社員採用の際の人材要件を変更したか?」という質問に対し、18.3%の企業が「変更した」と回答。「全面的に変更した」企業は18.1%、「重視する項目を絞り、新しい観点の項目を加えた」企業は30.7%に達しました。

 変更の理由として上位に挙がったのは、「ビジネスモデルの変化でこれまでとは異なる人材が必要になった」(41.7%)、「これまでの人材要件では必要人材を採用できなかった」(39.2%)です。

 なお「要件変更」とは、「採用できないから、求める人材の質を下げる」ということではありません。ビジネスモデルの変化を背景に、これまでとは異なる視点で人材を評価しようとしているのです。

 企業側も新たな人材とのマッチングの手法の開発に取り組んでいます。そうして実践されている手段は「採用」に限りません。「社会人インターンシップ」「リスキリング」などの方法で、働く個人が持つ好奇心や情熱から可能性を広げる機会を創り、自社にマッチする人材との出会いを果たしている企業もあります。

 詳しくは後編でお伝えします。

>>「リクルートが捉えた採用の新潮流(下)」に続きます。