クレジットカード払いがお得とは限らない
支払い方法を変えれば節約できる?

 電気代を下げるには、地道に節電に励むことが第一とはいえ、支払い方法によっても節約できる。多くの家庭では、コンビニでの現金払い、銀行口座振替、クレジット払いが主なところだろう。中でも、ポイント目的にクレジットカード払いを選んでいる人は多いのではないか。

 しかし、残念ながらクレジットカードによっては必ずしもトクとは言えないのだ。

 電力会社では「口座振替割引」というサービスを行っている。例えば、東京電力では口座振替にすると、ひと月55円割り引いてくれる。これをクレジットカード払いと比較してみよう。カード払いは、厳密には割引ではなくポイント還元となることが多いので、ポイント相当の金額を引いたと仮定して比べたのが、次の表だ。

 ポイント相当額は、支払う電気代と還元率によって異なる。スタンダードなクレジットカード払いの場合、還元率は0.5%が多い。あくまで概算だが、0.5%還元カードの場合だと55円の口座振替割引と同額になるのは、なんと電気代1万1000円を支払った場合だ。それより少額なら口座振替割引の方が安いことになる。

 続いて、還元率1%のカードの場合を見てみよう。こちらは、電気代5500円のラインで口座振替割引と並ぶ。つまり、カードで払うなら1%以上の還元率でないと、なかなか55円を超えられないのだ。

 おまけに節電上手で、5000円も電気代を払っていないという家庭なら、カードで払うより口座振替の方が安く済むことになる。現実には表組みのような切りのいい電気代にはならないが、改めて我が家の電気料金がいくらかを調べてみて損得勘定をしてほしい。

カードの還元率自体が改悪へ
支払い用途によって変動も

 とはいえ、「うちのカードは還元率1%だから大丈夫」と安心していてはいけない。公共料金の支払いに対する還元率が引き下げになるケースも相次いでいる。

 記憶に新しいところが、楽天カードの変更だ。楽天カードはもともと1%還元であり、公共料金の支払いについても100円につき1ポイントだったのが、2021年6月利用分から500円につき1ポイントと変更された。還元率は0.2%まで下がってしまったのだ。

 他にも、公共料金払いの還元率を変更するカードはある。ソニー銀行が発行するタカシマヤプラチナデビットカードは、2022年4月到着分からポイント率を2%から1%に下げた。

 GMOあおぞらネット銀行もVisaデビットカードでのキャッシュバック率を7月以降変更する。個人の場合、カードの利用実績に応じ0.6~1.2%だったのが、一律0.3%になってしまう。※これら各カードについては、税金払いなども同様に引き下げ。

 カードの還元率が支払い用途によって変動するとは、今まで想定していなかっただけに驚きだ。高い還元率に引かれてカードを作り、あとは安心とのんびり構えていられる時代は終わったのかもしれない。電気代の引き落としに使っているカード会社からのお知らせは、まめにチェックしなくてはならないだろう。