儲かる農業堕ちたJA#10Photo by Takeshi Kubota

ダイヤモンド編集部が面積当たりの収益性に注目して選ぶ「中小キラリ農家」には、30代、40代が社長を務める農家が多数ランクインした。特集『儲かる農業 堕ちたJA』(全17回)の#10では、新世代の高収益農家に儲かる秘訣を明かしてもらう。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

30代、40代の若手高収益農家がずらり
「中小キラリ農家ベスト20」を大公開

 恒例の人気企画「中小キラリ農家」は、「担い手農家アンケート」の回答者の経営データを、面積当たりの収益性や成長性などの観点から評価し、ポイントを付与してランキング化したものだ。

 中小キラリ農家ベスト20には、例年、異業種から農業に参入した若手の経営者が多く選定される。毎年、“新星”が現れるのも特徴だ。事業規模を中心に評価する「レジェンド農家」(詳細は本特集の#8『「レジェンド農家」ランキング【ベスト20】2冠王の野菜くらぶ代表が語る経営危機からの復活劇』参照)に“常連”が多いのと対照的だ。

 今年、中小キラリ農家の首位に躍り出たのは山形県でベビーリーフなどの有機栽培に取り組むYAMAGATA DESIGN AGRI(YDA)だ。

 多くの中小キラリ農家の経営者と同様、YDAの山中大介社長は36歳で非農家出身だ。慶應義塾大学卒業後、三井不動産でショッピングモールを開発していた。順風満帆の会社員生活だったが、「地方の課題を丸ごと解決したい」と思い立ち、鶴岡市で起業した。

 次ページでは、中小キラリ農家ベスト20を公開するとともに、農業界では“規格外”といえるYDAの経営の特徴や野望に迫る。