Q 自分が網膜色素変性症だとわかったら、どうすればいいのでしょうか。
A 網膜色素変性症は、いまだにわからないことが多い病気です。各国の機関で研究が進められていますが、原因遺伝子が特定されているのは一部にすぎません。「アダプチノール」という暗がりで目が慣れる速さを改善する薬がありますが、根本的な治療薬ではありません。
ハーバード大学のグループによって1990年に網膜色素変性症の原因遺伝子が初めて発見されましたが、この遺伝子の異常で網膜色素変性症になるのは、ほんの2%だけで残りの98%の人は、別の遺伝子異常を持っていることが明らかになりました。
2番めに遺伝子異常を解明した私の研究が1991年の英科学誌『ネイチャー』に掲載されて、3番めの遺伝子も私が発見したのですが、2番めと3番めの遺伝子異常の両方を半分ずつ持っている人が、この病気を発症することをはっきりと証明したので、この論文は米科学誌『サイエンス』に発表しました。
こうした地道な研究の積み重ねで病気のことが少しずつわかってくるのです。
●まずは原因がドライアイなのか白内障なのか「網膜色素変性症」ではないか、はっきりさせる
* 眼科受診後、見えにくくなる理由によって、涙液型の目薬を使用したりメガネやコンタクトレンズを使う
※本稿は、『ハーバード × スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25』より一部を抜粋・編集したものです。