岸田文雄首相が7日決定した経済財政運営の基本指針「骨太の方針」には、重要な期限が欠落している。岸田首相は、2025年までに国と地方の基礎的財政収支(PB)を黒字化するという、それまで政府が明示していた公約を削除した。さらに、政府が債務削減のために何らかの政策対応を行う期限を示さない一方、防衛費の大幅な増額を約束した。日本の政府債務残高が1100兆円超と国内総生産(GDP)の2倍を超えていることを考えれば、これは大胆な政策スタンスだ。財政健全化目標の達成期限の削除は、与党・自由民主党内のある陣営の影響力を見せつけた。この陣営は、「ロナルド・レーガン元米大統領は赤字が問題ではないことを証明した」というディック・チェイニー元副大統領の見解を受け入れてきた。