新OS群で、デバイス間の連携がさらに進む

 OS関連の発表では、アップル製品向けの全OSの次期メジャーアップデートの発表が行われた。そこに含まれるのは、iPhone向けの「iOS 16」、iPad向けの「iPadOS 16」、Apple TV向けの「tvOS 16」(←キーノート内では触れられなかったが同じくバージョンアップされた)、Macintosh向けの「macOS 13」(バージョンとしては13だが、通称としてカリフォルニア州内の地名が割り当てられ、新バージョンはmacOS Venturaと呼ばれる)、Apple Watch向けの「watchOS 9」だ。

 さまざまなアップデートの中で、正式リリース後にすぐユーザーがメリットを感じられそうなものとしては、macOSとiPad OSにおけるマルチタスク機能のユーザビリティの強化や、送信済みのメールを編集・削除できる機能、純正WebブラウザのSafariで利用できる新たな認証機能の「パスキー」、iPhoneをMacのWebカメラとして利用できる「Continuity Camera」などが挙げられる。

 マルチタスク機能のユーザビリティ強化については、「Stage Manager」という機能が追加され、開かれているウィンドウを画面の左端にサムネイル化して表示できるようになる。利用中のアプリのウィンドウのみが画面中央に表示され、他のウィンドウのサムネイルをクリックすると、両者が入れ替わる仕組みだ。また、画面中央のウィンドウに、別のウィンドウをドラッグ&ドロップすることでグループ化でき、グループ内のウィンドウは、従来のように自由な配置が可能なマルチウィンドウ状態となる。Stage Managerは、iPad OSでも利用可能だが、M1チップ搭載のモデルのみでサポートされることになる。

Stage Manager機能複数のウィンドウが開かれたマルチタスク利用時のユーザビリティを大きく改善するStage Manager機能は、macOS VenturaとiPadOS 16(+M1搭載のiPadモデル)で利用できる Photo:Apple

 送信済みメールの編集・削除機能は、送信後10秒間に限って可能だが、誤送信やタイプミスは送信直後に気づくことが多いため、その程度の余裕であっても、助かるケースはかなりの割合になると思われる。