生体認証の利用範囲を広げるパスキー

「パスキー」は、Touch IDやFace IDによる生体認証を、デバイス自体のログインやApple純正のサービス以外にも適用するもので、フィッシング詐欺によるパスワードの盗難や、サードパーティからの認証情報の流出を防ぐことができる。また、生体認証デバイスなどを利用したセキュアなログインの規格を定めているFIDO Allianceとも連携し、異なるプラットフォーム間での動作も保証されるとのことで、これによりサイバー犯罪の発生が少しでも減ることを願いたい。

「Continuity Camera」は、コンピューター内蔵のWebカメラよりもはるかに優れたiPhoneのカメラを、ワイヤレスかつシームレスにMacのWebカメラとして活用できる機能だ。単に画質の良いカメラとしてだけでなく、常にユーザーを画面中央に自動配置するセンターステージ(日本では、センターフレーム)モードや、ユーザーをスポットライトで照らしたように明るく表示するスタジオライトモード、Macの手前のキーボード面やデスク面を真上から見下ろしたように変形して撮影できるデスクビューモードなどが利用可能となるContinuity Cameraは、オンライン会議に大きな恩恵をもたらすだろう。

Continuity CameraiPhoneのカメラ機能をMacからシームレスにWebカムとして利用できるContinuity Camera。オンラインミーティングの強い味方となりそうだ Photo:Apple

日本導入が待ち遠しいTap to Pay

 キーノートでは、専用端末不要で、iPhone同士で電子決済を可能とするTap to Payサービスがアメリカで開始されるというアナウンスもあった。今のところ、日本でのサービス開始時期については何の情報もないが、同じく導入時期が未定の純正クレジットカードであるApple Cardとともに、一日でも早いサービス提供が望まれるところだ。

 また、開発中であることは間違いないARグラス関連の情報提供は一切行われなかったものの、おそらく今後1年以内に発表されるのではと思われる。その間にも、iPhone 14シリーズや、Mac Proを含めM2チップの上位バージョンを搭載したハイエンドMacintoshが続々登場してくるはずだ。今後のアップルの動向から、ますます目が離せない。