賢者は歴史に学ぶ!歴史入門#1Photo:Adél Békefi/gettyimages

ウクライナ侵攻を断行したロシアに対し、国際社会は厳しい非難を浴びせている。そんな中、大国の中で唯一ロシアをとがめないのが中国だ。ロシアと中国という権威主義的な陣営と、米国や日本をはじめとする民主主義の陣営は、「新冷戦」とも呼ばれる対立の構図にある。特集『賢者は歴史に学ぶ! 歴史入門』(全14回)の#1ではこの対立の構図の行方を、古代ギリシアの歴史から占った。(ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)

「週刊ダイヤモンド」2022年6月18日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

権威主義vs民主主義
「新冷戦」の行方を古代史から探る

「やむを得ない、唯一の正しい決断だった」。ロシアのプーチン大統領は5月9日、対ドイツ戦勝記念日の式典でこう述べ、ウクライナ侵攻を正当化した。ロシアの理屈に賛同する国は、主要国の中にはほとんどない。この中で唯一、中国はロシアを明確には非難していない。

 新冷戦――今の世界情勢をこう捉える見方がある。かつての冷戦は共産主義と資本主義の対立だった。これに対し今は、ロシアと中国を中心とする権威主義的陣営と、欧米を中心とする民主主義陣営が対立しているという見方だ。

 これと類似した構図が、古代にもあった。ギリシア時代である。