ドイツ政府は天然ガスを配給制にすることを検討している。ロシアのウクライナ侵攻に伴う経済戦争が激化する中、ロシアがドイツへの天然ガス輸出ペースを落としているからだ。ロシアの天然ガス輸出最大手で国営のガスプロムは先週、パイプライン「ノルドストリーム」の輸出量を約60%削減。これを受けて、ドイツ政府はガス不足に対処する3段階のプランの第2段階を発動した。ドイツのガス備蓄量は能力の58%にとどまっている。ロベルト・ハベック経済相は、供給ペースに弾みがつかない場合は12月までにガス不足に陥るとの予測を示した。ドイツ政府は第2段階の「警戒レベル」で、ガスから石炭への発電燃料の切り替え、ガス消費の少ない企業への金銭的インセンティブの導入など、先週末に発表したガス節約策の一部を実施することになっている。