スポーツは楽しい反面、辛いこともある。ダイエットのためにスポーツを始めた場合、なかなか成果が現れないと挫折してしまうことは少なくない。新しいスポーツをやってみたくても、始めの一歩が踏み出せないこともあるだろう。

 こうした消費者の消極的なマインドに対して、RIZAPやNikeが掲げたメッセージが心に響くことはきっとある。なぜなら言葉の力は強く、人々の行動を変える力を秘めているからだ。これこそが標語が持つ効果とも言える。

個人が標語の力を使いこなす
メリットは想像以上に大きい

 企業が創造するメッセージのほか、個人が自分自身のために標語を作ることのメリットも大きい。特に、標語の力にはモチベーションを上げる効果が期待されている。

「研究結果によると、標語が視野に入って無意識に働きかけるだけで(つまり、しっかり考えなくても)、努力しているという感覚が薄れて、ハードな作業も容易に感じられるという」(『PEAK PERFORMANCE』より)

 同書によると、標語は自分にとっての「核となる価値観」であり、基本的信条、守るべき方針をベースとして作成するのがよい。たとえば「言行一致」や「楽しむこと」「うそ偽りのないこと」が、標語のベースの例として挙げられている。

 こうしたベースをカスタマイズして文章にすると、モチベーションを刺激する標語になる。作成した標語の効果を最大限に活かすには、標語が目に入りやすいようにする工夫も必要だ。

 自宅でトレーニングをしているならば、部屋の壁などに標語を紙に書いて貼るのがよいだろう。ジムや屋外でスポーツをする場合、スマートウォッチの画面に標語を表示させるという方法もある。