「こんにちは。単刀直入に聞きますけど、なんだか会社からの評価が非常に悪いですね。どうしてそんなに評判悪いんですか?」

「会社はそう見ているでしょうね。以上」

「いやいや、ここでの話は外に出ないから、本音でしゃべってもらって大丈夫です」

「本当に? じゃあ言いますけど、あのね、社員のレベルが低すぎるんです。あいつら誰でもできる簡単な仕事しかやらないから、お客さんの要求にぜんぜん応えられない。きちんと仕事ができないから問題も起きてしまって、私が現場にガツガツ入って行かないと収まらなくなる。だから、私は会社のためにやってるんです」

「いくら会社のためでも、態度が悪くていいってことにはなりませんよね」

「たしかにそうなんですけど、今の会社の言うことは聞けないんです」

「というと?」

「ウチの会社、今の日本の支社長は半年後に退任が決まってるんです。本社の評判が悪い人で、今の支社長の言う通りにやっているとグルだと思われて半年後には一緒にクビにされてしまう。そうならないように、今は距離を取って、逆の意味で目立つようにしているんです」

 いやはやなんとも複雑な事情ですが、聞いてみれば、その方にはその方の考えがあることがよくわかりました。

 それでもう、その方がそういう態度をとっている理由は開始5分ほどで理解できたので、こんな提案をしてみました。