中国が台湾周辺で4~7日に実施する実弾演習は、これまでの危機でみせた対応に比べ、軍事圧力を著しく強めており、中国軍による急速な戦闘能力の増強を浮き彫りにするものとなりそうだ。中国が軍事演習を発表したのは、ナンシー・ペロシ米下院議長が2日夜、台湾に到着した直後だった。台湾を包囲するかのように海空域6カ所で演習を行うという。中国人民解放軍(PLA)は3日、実弾演習を控え、台湾の北、南西、南東で海軍、空軍、戦略ミサイル軍などの組織が合同演習を行ったと明らかにした。実弾演習では長距離兵器や通常ミサイルが投入される可能性がある。演習予定区域の大半は公海上だが、一部は台湾の主要港湾に近く、台湾が「領海」と主張する海域と重なる。そのため、民間の海上輸送にも支障が生じかねない。ミサイルの種類や発射場所にもよるが、PLAのミサイルが台湾の東部沖に向かう中で上空を通過することもあり得る、と専門家は話している。そうなれば、事態を相当エスカレートさせていると解釈される行為だ。
中国の実弾演習、高い戦闘能力が送るメッセージ
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