決算を発表した自動車メーカーの多くは、従来見通しを維持し、需要後退を懸念している投資家をなだめた。だが独BMWは違った。BMWは3日、2022年12月期のフリーキャッシュフロー見通しについて、従来の「少なくとも120億ユーロ(約1兆6300億円)」から「少なくとも100億ユーロ」に引き下げた。同社が市場を驚かせるのはまれなことで、引き下げの理由として、半導体不足が続いていることによる生産減と、電気自動車(EV)への支出増加を挙げた。おそらくこれ以上に懸念されるのは、同社の受注が前年同期を下回ったことで、通常の水準に戻るのに少なくとも年内いっぱいかかり、この傾向は欧州で顕著だとしたことだ。このことは、需要見通しの悪化懸念を裏付けているようだ。BMWの株価は午前の取引で約6%下落したが、これは、いつもは同業他社の後に決算を発表し、面白みに欠けるほど期待通りであることを示そうとする企業としては異例といえる。