米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が、新たな局面を見せている。旧約聖書になぞらえれば、AMDは長らく、インテルという巨人「ゴリアテ」に対し、それを倒そうとする少年「ダビデ」だった。そのAMDが先週、時価総額でゴリアテを上回った。その原因は半ばインテルが自ら招いたもので、インテル株が7月28日の第2四半期(4-6月期)決算発表後、9%超下落したからだ。この四半期報告では、最新のデータセンター向けプロセッサーにバグがあり、この製品の大量出荷が来年まで遅れるとの情報が明らかにされた。AMDが今月2日遅くに第2四半期(4-6月期)決算を発表したことで、新たな局面が訪れた。同社は事業部門を再編し、ついにデータセンター事業とパソコン(PC)およびゲーム用チップ製造部門別の業績内訳を発表した。これらの数字から、AMDが市場シェアではまだはるかに大きなライバルを急速に追い上げていることが分かった。2021年のデータセンター向け事業の売上高は、AMDが37億ドル(約4950億円)と前年同期の2倍以上に増加し、片やインテルは1%減だった。この傾向は続いており、4-6月期は、AMDのデータセンター売上高が前年同期比83%増の15億ドル、インテルは同16%減の46億ドルとなった。
AMD急成長、データセンター向け好調
売上高減少のインテルに猛追
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