サイバーエージェントの21年度決算が「異質」な理由、利益率の中身に要注目写真はイメージです Photo:PIXTA

企業の決算を読み解くには時系列の変化を捉えることが肝心だ。加えて、決算の数字だけでなく、その会社の経営方針についても理解しておく必要がある。さもないと、数字の意味することが正しく読み取れないからだ。SNSを中心に企業分析や決算書の読み方について発信する大手町のランダムウォーカー氏が、サイバーエージェントを例に、時系列で決算書を読むポイントについて解説する。(構成/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

時系列で読み解く決算書
大手町のランダムウォーカーが解説!

 決算書を読むときに意識したいポイントの一つが、「時系列で見る」ことです。その上で、その会社がどのように経営を行ってきたかという背景と照らし合わせて数値を確認すれば、起きている変化の意味が見えてきます。

 今回は、インターネット広告などの事業を手掛けるサイバーエージェントを例に、「時系列で決算書を読む」大切さについて解説したいと思います。

 サイバーエージェントは21年度(21年9月期)決算において、過去最高の売上高、営業利益を記録しました。非常に業績が良かったことは、ニュースなどでご存じの方も多いと思います。そんな中で私が注目したのは、同社の好調ぶりが「これまでのトレンド」と一線を画していたことです。

 これまでのトレンドと違うとは、どういうことなのか。まずは過去の決算資料を基にひもといてみましょう。