景気が低迷していても、中央銀行に物価安定の責務を棚上げさせることはできないようだ。英イングランド銀行(中央銀行)は4日、政策金利を0.5ポイント引き上げて1.75%とした。これは1995年以降で最も大幅な利上げだ。金融政策委員会は、英国の消費者物価指数(CPI)の伸びが10-12月期に13%でピークをつけると予想している。5月時点では、ピークは「10%をわずかに上回る水準」としていたが、それを上方修正した格好だ。注目すべき点は、英経済が10-12月期にリセッション(景気後退)入りすると予想していながら大幅利上げに踏み切ったことだ。エネルギー高による家計圧迫が引き金になるとみられる英国のリセッションは、米経済について大方が予想しているような、「テクニカル」でも短期で終わる景気後退でもないとみられている。英当局者は、2023年の国内総生産(GDP)が2.1%減少し、23年も横ばいにとどまると予想。現在3.7%の失業率は、25年7-9月期には6.3%まで上昇するとみている。
景気後退でも大幅利上げ、中銀はインフレに全集中
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