悪いニュースは早めに出すベきということを理解している点で、米半導体大手エヌビディアは多少は評価できる。悪いニュースは8日朝、同社の第2四半期(5-7月期)の売上高が従来予想を約17%下回る見通しとして発表された。エヌビディアは、ビデオゲーム事業の不振が主因としている。同事業は主にゲーム用パソコン(PC)に搭載される画像処理半導体(GPU)を扱っている。エヌビディアの株価は約8%安となったが、同社が前回、未達見通しを発表したときよりは、株価は持ちこたえている。前回2019年1月に予告した際は、株価が14%近く下がった。同業インテルの大きな失敗が明らかになってから2週間も経っていない。エヌビディアはここから学んだのかもしれない。インテルの第2四半期決算は、売上高が市場予想を15%下回り、重要なデータセンター向け半導体事業の営業利益が実質的になくなったことから、最悪の事態との厳しい見方をされた。インテルは、この業績不振の理由をPC販売の低迷と「競争圧力」としたが、最新のデータセンター向けCPU(中央処理装置)にバグが見つかり、大量出荷が来年までずれ込む見通しにも言及した。PCの低迷については、その時点までに投資家の間で周知されていたこととはいえ、失望の大きさは衝撃的だった。インテルは電話会見で、アナリストから「なぜもっと早く予告しておかなかったのか」と問われる事態になった。