「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と接点のある議員がある程度は閣内に入ってくることは想定していたが、これほど多いとは思わなかった」
首相、岸田文雄(65)の側近は困惑を隠さない。岸田が意表を突くように断行した内閣改造などの一連の人事が、逆に岸田の足元を揺さぶっているからだ。
既に8閣僚が教団との関係を認め、副大臣と政務官に至っては計23人に達した。今後も増える可能性は否定できず、岸田にとっては予期せぬ大誤算と言えるだろう。
もともと改造人事に際して岸田が最も注意を払ったのが、元首相、安倍晋三の悲劇的な死による自民党最大派閥の混乱、流動化を防ぐことだった。そこで岸田が頼みとしたのが、安倍派に大きな影響力を持つ元首相の森喜朗(85)だった。岸田は参議院選挙が終わると、森を交えた会合を呼びかけた。8月3日夜の長老会合だ。
場所は「The Okura Tokyo」内の日本料理店「山里」。午後6時20分、岸田が到着すると4人の政治家が顔をそろえていた。森に加え「参院のドン」と呼ばれた元自民党参院議員会長の青木幹雄(88)、現総務会長の遠藤利明(72)、そして自民党組織運動本部長の小渕優子(48)。なぜこの顔触れなのかについては少し説明が必要だろう。