1年前の今ごろ永田町で「毎日ショック」という言葉が使われた。毎日新聞の世論調査で菅義偉内閣の支持率が30%を切って、26%に落ち込んだことをそう呼んだ。これを契機に菅の迷走が始まり、自民党総裁選挙への不出馬を表明するに至る。毎日ショックの再現を思わせるような世論調査の結果を8月22日付朝刊の毎日新聞が報じた。岸田文雄内閣の支持率だ。
前回調査(7月16、17日)の52%から16ポイントも下落して36%。不支持率は逆に17ポイント増えて54%で支持と不支持が逆転した。株価なら大暴落と言っていい。
岸田内閣は昨年10月の発足以来、支持率はおおむね50~60%台を安定的に推移、不支持率は支持率を大きく下回っていた。それが菅前政権との大きな違いだった。今回の調査結果が一過性なのかどうかはまだ分からないが、深刻に受け止めるべき数字であることは間違いない。急落の理由がはっきりしているからだ。
8月10日に岸田が断行した内閣改造・自民党役員人事が最大の要因だ。7月8日の元首相、安倍晋三の銃撃事件を契機に急浮上した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党議員との深いつながりに対する疑問が噴出した。これに対して岸田自身が「脱旧統一教会」を宣言したにもかかわらず、むしろ改造後に関係の深さが浮き彫りになった。
それこそ「出るわ、出るわ」の状況だ。19人の閣僚中8人が旧統一教会と接点があることが判明、73人の副大臣、大臣政務官も約4割が旧統一教会側と何らかの接点があったことが判明した。